メールマガジン2017年 3月号

記事更新日:2017-03-07

日増しに暖かくなり、早春の息吹を感じるこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。汗ばむほど暖かい日があるかと思えば、冷たい雨が降ったりと、春の天気はとても不安定です。体調を崩さないよう、いつも以上に健康管に気を配りましょう。

CONTENTS

1.狂犬病ワクチンを接種しましょう
2.健康診断を受診しましょう
3.ピロリ菌について
4.休診日のお知らせ

1. 狂犬病ワクチンを接種しましょう

中国で暮らす上で常に注意してほしいのが、「犬」です。中国では狂犬病が大きな問題となっており、実際に犬にかまれて死んでしまう人が毎年2000人以上います。実際に報告されていない事例を含めれば実際の死者数はより多いと推測されます。近年、中国ではペットブームが続いています。政府に登記されたペット犬だけで8000万頭ですが、その8割が狂犬病ワクチンの接種を受けていないといいます。

【症状】

 

狂犬病の潜伏期間は、一般的には1か月から3か月ですが、狂犬病ウイルスの侵入経路とウイルス量により1週間未満から1年以上の可能性があります。狂犬病の初発症状には、発熱、頻繁な創傷部位の痛み、説明のつかない異常なヒリヒリ感やチクチク感、咬傷部位の灼熱感(錯感覚)があります。ウイルスは、中枢神経系に広がるに攣れ、脳と脊髄に進行性で致命的な炎症を起こします。

この疾患には2つの病型があります。狂躁型の狂犬病では、活動性の亢進、易興奮性、恐水症状、また時に恐風症状が、現れます。数日後には、心肺停止によって死亡します。麻痺型の狂犬病は、人における狂犬病全体の約30%を占めます。狂躁型ほどの激烈さはなく、通常、長い経過をたどります。筋肉は、咬傷または擦過傷部位から、徐々に麻痺を起こします。昏睡が徐々に進行し、最後には死に至ります。麻痺型の狂犬病は、しばしば誤診され、疾患の過少報告につながっています。

【診断】

ウイルスは健康な皮膚(角質層で守られている)からは侵入できませんが、眼や鼻、口唇等の粘膜からは侵入します。このウイルスは血液には入らずに神経に沿って脳神経に向かいます。従って、咬傷後にウイルスに感染しているのか血液検査では診断ができません。発症前に狂犬病の感染を診断できる検査法はありません。恐水症状や恐風症状のような狂犬病に特有の症状が出現するまでは、臨床診断が困難です。

狂犬病は予防接種を受けるのが一番の予防法です。蘇州森茂診療所でも取り扱っておりますので、詳細はお問い合わせください。

2. 健康診断を受診しましょう

1年に一度、健康診断を受けていますか?自分は健康だから大丈夫・・・会社の規定にないから・・・と何年も受けていない方もいらっしゃるようです。

今、日本人に多い生活習慣病。がんや高血圧、心臓病、糖尿病などが挙げられますが、これらは発症した初期段階では自覚症状があまりないため、健康診断での発見が大切です。定期的な健康診断で、異常がないか確認することに加え、標準値との比較や、過去の数値からの推移などを行い、自らの体のことを知っておきましょう。放っておくと、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気に進行することもあります。早期発見・早期治療、あるいは病気になりやすい傾向を探るためにも、定期的な健康診断は大切です。

また、健康診断を受けても、肝心の結果については関心が薄い方が多いようです。治療や生活習慣の改善をしなければ、せっかくの健診の意味がありません。そのまま来年度の健診に持ち越してしまわず、健康診断で異常を指摘されたら、医師の指示に従い、再検査や治療を受け、生活習慣の改善を心がけるようにしましょう。

蘇州森茂診療所で健康診断が受けられます。

※年度末の3月は、健康診断の予約が混み合うことが予想されますので、なるべく早くご予約されることをお勧めいたします。

3. ピロリ菌について

ピロリ菌は慢性胃炎や胃潰瘍になる主な原因です。つまりピロリ菌さえ除菌してしまえば、胃の病気になる確率は大幅に下がるとされています。このピロリ菌が人体に与える影響は次の3点です。

1慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を誘発します。
2胃がんになる確率が20倍以上に跳ね上がります。
3胃MALTリンパ腫といった胃の病気にかかりやすくなります。

日本人の50%以上がピロリ菌に感染しており、中でも50代以降では保持者の割合が70%以上に達します。このように感染率の高いピロリ菌ですが、必ず胃潰瘍や十二指腸潰瘍するわけではなく、感染した人の5%が病気を発症するに留まります。しかしながら、ピロリ菌の感染が慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になることは確実で、胃がんの発生にも深く関連しています。胃がん患者の80%以上が感染者であるとの報告もされています。

日本の健康保険ですが、ピロリ菌による慢性胃炎の患者様には2013年2月より適用されています。しかしピロリ菌を持っている、または可能性があっても胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTIリンパ腫などを発症しておらず、ピロリ菌による慢性胃炎になっていない患者様には適用されません。

⇒蘇州森茂診療所ではピロリ菌検査、除菌ができます。

4.休診日のお知らせ

4月4日(火)は清明節のため休診日となります。あらかじめご了承ください。

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