メールマガジン2017年5月号

記事更新日:2017-05-05

暖かくなってきましたが、朝晩は気温の冷え込みも多い季節です。脱ぎ着できる羽織を用意するなど、気温の変化に対応して過ごしましょう。

CONTENTS

1.脂質異常症とは?油断すれば動脈硬化
2.ピロリ菌について
3.休診日のお知らせ

1. 脂質異常症とは?

特定健診などの血液検査ではLDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪の濃度を調べます。それぞれ140以上、40未満、150以上(mg/dL)のいずれかに当てはまると、脂質異常症と診断されます。

○脂質異常症の判断基準(空腹時採血)

悪玉LDLコレステロール 140mg/dl 以上 境界域
120~139mg/dl
善玉HDLコレステロール 40mg/dl未満
中性脂肪 150mg/dl以上

【治療していない人が多い】

国民健康・栄養調査によると「コレステロールが高い」と言われているのは30歳以上の3割です。ところが、そのうち継続して治療しているのは男性36%、女性45%しかいません。脂質異常症には通常自覚症状がないため油断している人が多いと考えられます。

【動脈硬化から狭心症・心筋梗塞へ】

しかし、脂質異常症を放置すると動脈硬化が進行し、
狭心症・心筋梗塞、脳梗塞などの危険性が高まります。
食事や運動などの生活習慣の改善や薬による治療が必要なのです。

【コレステロール 善玉 悪玉 とは?】

そもそもコレステロールは私たちの体に必要な物質で、 血液によって全身に運ばれています。その時コレステロールはLDLという 粒子の形になります。しかし、LDLは増えすぎると血管壁に入り込んで動脈硬化を起こしてしまいます。そのためLDLは悪玉と呼ばれます。反対に余ったコレステロールはHDLという粒子の形で回収されます。このとき血管壁にたまったコレステロールも抜き取られます。そのためHDLは善玉と呼ばれます。

【中性脂肪の働きとは?】

中性脂肪はコレステロールとは別の物質ですが、悪玉LDLの味方、善玉HDLの敵として働きます。中性脂肪が増えると悪玉は小型化して血管壁にいっそう入り込やすくなり、また善玉は数が減ってしまうのです。こうして中性脂肪もまた動脈硬化を悪化させます。

※蘇州森茂診療所では血液検査の結果がすぐに分かります。定期的にチェックをしましょう!

2. ピロリ菌について

ピロリ菌は慢性胃炎や胃潰瘍になる主な原因です。つまりピロリ菌さえ除菌してしまえば、胃の病気になる確率は大幅に下がるとされています。このピロリ菌が人体に与える影響は次の3点です。

1慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を誘発します。
2胃がんになる確率が20倍以上に跳ね上がります。
3胃MALTリンパ腫といった胃の病気にかかりやすくなります。

日本人の50%以上がピロリ菌に感染しており、中でも50代以降では保持者の割合が70%以上に達します。このように感染率の高いピロリ菌ですが、必ず胃潰瘍や十二指腸潰瘍するわけではなく、感染した人の5%が病気を発症するに留まります。しかしながら、ピロリ菌の感染が慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になることは確実で、胃がんの発生にも深く関連しています。胃がん患者の80%以上が感染者であるとの報告もされています。

日本の健康保険ですが、ピロリ菌による慢性胃炎の患者様には2013年2月より適用されています。しかしピロリ菌を持っている、または可能性があっても胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTIリンパ腫などを発症しておらず、ピロリ菌による慢性胃炎になっていない患者様には適用されません。

⇒蘇州森茂診療所ではピロリ菌検査、除菌ができます。

3. 休診日のお知らせ

5月1日(月)労働節、5月30日(火)端午節は休診日となります。

あらかじめご了承ください。

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