メールマガジン2018年12月号

記事更新日:2018-12-3

2018年も残すところ後1カ月になりました。
1年の締めくくりですので、悔いのないように過ごしたいですよね!
さて、今年最後のテーマ―は、糖代謝検査血清検査についてお送り致します。

CONTENTS

1.糖代謝検査とは!
2.血清検査とは!

1.糖代謝検査とは!

糖の代謝がうまくいかず、血液中の糖が慢性的に増えた状態に多くなる病気が糖尿病です。 糖尿病は、カロリーの多い食生活、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣因子や加齢が引き金となって発症します。糖尿病は 初期にはとくに症状がなく、症状が出たときはかなり病気が進行しています。早期発見には血液検査が欠かせません。
それでは、糖代謝検査で何がわかるのでしょうか。


血糖(BS)

血糖中の糖(ブドウ糖)は食事をすると増えますが、健康な人は膵臓からインスリンを大量に分泌させて、その働きで糖を代謝するので、食後2時間くらいで血糖値がもとに戻ります。しかし、インスリンが不足したりは働きが不十分だと血液中の糖は増えたままの状態の高血糖になります。反対にインスリンが過剰になると、血糖値が低下し、手の震え、意識障害や痙攣などに進行する低血糖(ていけっとう)症状が起こります。
血糖値は空腹時の血糖を調べるもので、糖尿病の発見と診断にもっとも重要な検査です。検査は9時間以上絶食したのちの空腹時に採血して測定します。
空腹時血糖値が126mg/㎗以上の場合は「糖尿病型」と診断されます。110~125 mg/㎗の場合は「境界型」と診断されます。「糖尿病型」「境界型」と判定された場合は、ブドウ糖負荷試験などの二次検査を行います。
糖尿病のほかに高血糖値から考えられる病気には、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、膵炎、肝炎、肝硬変などが考えられます。低値ではインスリノーマなどの膵臓の病気の疑いがあります。


ヘモグロビンA1C(エーワンシー)(HbA1c)

検査前1~2か月の血糖値の状態をおおまかに知るための検査です。赤血球の中にあって、体内に酸素を運ぶ働きをしているヘモグロビン(Hb)の中には、ブドウ糖と結合してできたものがあり「グリコヘモグロビン」と呼ばれます。ヘモグロビンA1Cは、その一種で、1日の血糖値の平均が高いほどふえてきます。ヘモグロビンA1Cは、赤血球の寿命が(約120日)が尽きるまで付いているので、その割合を調べることで、過去1~2か月の血糖値の状態を知ることができます。
もともと糖尿病の人の血糖コントロールをみるために行われていた検査ですが、血糖値のように、食事や運動の影響を受けて変動することがないので、健康診断で調べることもふえてきました。血糖値の検査結果とあわせてみていきます。
ヘモグロビンA1C値が6.5%を超えていたら糖尿病を考えます。そのほか、高値になる病気としては、腎不全(じんふぜん)、異常ヘモグロビン血症(けっしょう)などが考えられます。5.2%以上では境界域と考えて食生活の改善などをしていきます。
反対に低値を示す病気では、消化管のがんや肝硬変>(かんこうへん)、溶血性貧血(ようけつせい)などが疑われます。

2.血清検査とは!

血液中に感染によって出来た抗体の有無や量を調べる検査で、病気の感染を診断する検査です。
人間の体には、元々体内に無い細菌や異物が侵入してくると、それらに抵抗する抗体という物質を作り、体を守ろうとする働きがあります。血清中に抗体ができているかどうか、またどのくらいの量の抗体なのかを調べるのが血清学的検査です。


抗体を作る原因となる細菌やウイルス等、外部からの侵入物を抗原(アレルゲン)と言います。この抗原が抗体と結び付く現象を抗原抗体反応あるいは免疫反応と呼びます。体内に侵入した抗原に対してそれと結びつく抗体を調べれば、病気の感染の有無がわかります。


B型肝炎抗原(HBsAg)

基準値: 陰性(―)

HBs抗原が陽性の場合、B型肝炎ウイルスに感染中で有る事を表しています。


B型肝炎抗体(HBs)

基準値: 陰性(―)

HBs抗体のみ陽性の場合は、以前感染していた、もしくはワクチン接種で抗体が作られている事を示しています。以前感染していた場合でもウイルスはもう体内に存在していないので他人には感染しません。
また、HBs抗原・抗体共に陰性で有れば感染はしていません。


C型肝炎抗体(HCV)

基準値: 陰性(―)

HCV抗体の有無により、ウイルスに感染しているかどうかがわかります。
C型肝炎ウイルス(HCV)については、現在の所抗原検査は無く、ウイルス自体の検査はまだ難しいとさせていますが、血液中の抗体の有無を調べる事により感染しているか否かを知る事は出来ます。

3.お知らせ

12/1(土)消化器系専門医田中医師による特別診察を行います。胃腸・慢性上咽頭炎についてご相談されたい方はお早めにご予約下さい。

ところで、EAT(Bスポット療法)はご存知でしょうか。鼻の奥・「のどちんこ」の裏側を綿棒などで治療するのがEATです。慢性上咽頭炎は薬で根本的に治らず、EATをしつつ、鼻呼吸を習慣づける「自助努力」で治ります。自律神経の異常は、肩こりや頭痛を引き起こしますが、それらもEATで改善します。

4.休診日のお知らせ

大晦日: 12月31日(月)午前中のみ診察

診察時間8時15分~12時00分

受付時間8時00分~11時45分


元旦:1月1日(火)休診

※1月2日(水)より通常診察を行います。

※1月2日は水曜日のため、小児科は休診です。

Copyright© 2010 蘇州森茂診療所-日系クリニック All Rights Reserved.