メールマガジン2017年6月号

記事更新日:2017-05-31

うっとうしい梅雨の季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。気温の変化が多い時期です。脱ぎ着できる羽織を用意するなど、体調管理に気をつけましょう。

CONTENTS

1.暑くなる季節に欠かせない食中毒対策
2.ピロリ菌について
3.休診日のお知らせ

1.暑くなる季節に欠かせない食中毒対策

梅雨時の6月は、食中毒の原因菌が一番繁殖し易い時期です。あなどると命を脅かしかねない食中毒、よく菌の特徴などを理解しておくようにしましょう。食中毒の症状が重い場合は躊躇せず病院へ、市販薬の服用は絶対にやめましょう。

○なぜ6月に食中毒が一番増えるでしょうか?

冬場は、ノロウィルスのようなウィルス性食中毒が多発するのですが、夏場には細菌性食中毒が主流になります。それは梅雨時の湿気の強さに原因があります。湿気が強いだけでなく、気温も上がり細菌が繁殖するには都合の良い条件が揃ってしまうからです。細菌が最も繁殖しやすい温度は37度から40度です。それに梅雨時には、湿度も50%以上になることもざらで、細菌の育成に必要な3条件「温度」「水分」「栄養」の全てが揃うのが6月なのです。また食材や食品内に繁殖することが多いため、口から直接菌を取り込んでしまうことが多いため、対処が悪いと最悪の場合も想定しなければならなくなってしまいます。充分気を付けてください

○主な食中毒の症状、潜伏期間、菌の特徴や感染源

症状 潜伏期間 菌の特徴や感染源
サルモネラ菌 発熱・腹痛・嘔吐・激しい下痢・40度以上の高熱 12時間から24時間 熱に弱いので加熱処理で防げる。牛や豚など動物の腸の中、河川や下水なの中に存在する。加熱処理が行われていない食品、刺身・食肉・卵によく見られる
カンピロバクター 発熱・腹痛・下痢・倦怠感 2日から7日 10度以下の環境では長時間生存することができる=冷蔵庫等で繁殖する可能性有。加熱処理が行われていない食品、特に鶏肉に繁殖する。
黄色ブドウ球菌 下痢・嘔吐・腹痛。高熱はあまり出ない。 1時間から6時間 熱に弱いが、毒素そのものは100度で30分間加熱しても死滅しない。自然界、生活環境に幅広く分布し、健康な人からも検出される。生菓子、弁当、おにぎりなどが原因となる
腸管出血性大腸菌 (O(オー)157、O26、O111など) 発熱、腹痛、下痢、特に水溶性の下痢、血便 3日から5日程度 感染力が非常に強い。熱に弱いので、75度以上の熱や熱湯で加熱すれば、1分以上の加熱で死滅する。大腸菌の一種。加熱処理が行われていない食品、特に食肉が原因。まな板なども清潔にする

2. ピロリ菌について

ピロリ菌は慢性胃炎や胃潰瘍になる主な原因です。つまりピロリ菌さえ除菌してしまえば、胃の病気になる確率は大幅に下がるとされています。このピロリ菌が人体に与える影響は次の3点です。

1慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を誘発します。
2胃がんになる確率が20倍以上に跳ね上がります。
3胃MALTリンパ腫といった胃の病気にかかりやすくなります。

日本人の50%以上がピロリ菌に感染しており、中でも50代以降では保持者の割合が70%以上に達します。このように感染率の高いピロリ菌ですが、必ず胃潰瘍や十二指腸潰瘍するわけではなく、感染した人の5%が病気を発症するに留まります。しかしながら、ピロリ菌の感染が慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因になることは確実で、胃がんの発生にも深く関連しています。胃がん患者の80%以上が感染者であるとの報告もされています。

日本の健康保険ですが、ピロリ菌による慢性胃炎の患者様には2013年2月より適用されています。しかしピロリ菌を持っている、または可能性があっても胃がん・胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃MALTIリンパ腫などを発症しておらず、ピロリ菌による慢性胃炎になっていない患者様には適用されません。

⇒蘇州森茂診療所ではピロリ菌検査、除菌ができます。

3. 小児科休診のお知らせ

6月10日(土)は小児科が休診日となります。

あらかじめご了承ください。

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