メールマガジン2018年1月号

記事更新日:2017-12-25

新年明けましておめでとうございます!年末年始はいかがお過ごしでしたか?
「1年の計は元旦にあり」1年のスタートという節目は新しい計画や目標を立てるのに最適なチャンスですね!
今年も皆様にとって素晴らしい年になりますようお祈り申し上げます。

CONTENTS

1.放っておくと危険!長引く咳にご注意を!
2.休診日のお知らせ

1.放っておくと危険!長引く咳にご注意を!

2週間以上続けば風邪ではない

咳が長引いていても「風邪が治っていないのかな」と軽く考えがちですが、2週間以上続く咳は風邪ではない可能性があります。風邪の原因は80~90%がウイルスで、残りが細菌とされています。風邪のウイルスは体内に侵入して増殖しますが、増殖する力が弱いので2週間も生きられません。一方、細菌による風邪はふつうの風邪に比べて症状が重くなることもありますが、抗生物質を使うことで速やかな治療が可能です。
つまり2週間を過ぎても咳が治まらない場合やまだ1週目でも数日間眠れないほど激しい咳が続く場合は、風邪以外の病気の可能性があります。肺がんや結核、間質性肺炎、心不全など重篤な病気の場合もあるので、病院で受診することをオススメします。病院では問診、聴診器で肺の雑音の有無、肺機能検査で肺の状態を確認します。血液検査やレントゲン検査などで病気の早期発見につながり、専門的な治療に進むことができます。


早期治療したい「咳ぜんそく」

重篤な病気ではなく、長引く咳の原因として近年増加しているのが咳ぜんそくです。 咳ぜんそくは、気管支ぜんそくの1歩手前の状態で、放っておくと3人に1人は気管支ぜんそくに移行するといわれています。気管支ぜんそくは完治しにくく、日本では年間1500人の人が呼吸困難で亡くなっています。そのため、咳ぜんそくのうちに治療することをオススメします。
咳ぜんそくは気道の粘膜に常に炎症が起こっている状態です。ホコリはもちろん、湯気、冷たい空気、香り、花粉などちょっとした刺激に敏感に反応して激しい咳が出て、なかなか止まらなくなります。風邪がきっかけになることが多いのですが、花粉や天候、疲労やストレスが原因になることも。また、花粉症や食品添加物、PM2.5などが要因となって発症するケースが増えています。
咳ぜんそくは、放置すればするほど気管支や肺が固くなり、気管支ぜんそくへと移行するリスクが高まりますし、肺の機能も低下します。正しく治療すれば改善するケースも多く、低下した肺機能はもとに戻ります。早期発見、早期治療が望まれるので、長引く咳があれば、医師に相談しましょう。


別名タバコ病の「COPD」

もう一つ、長引く咳の原因として増えているのがCOPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気です。タバコ病ともいわれ、タバコの煙など大気に含まれる有害物質を吸引することで肺に炎症が起こり、最終的には肺の機能が低下し、死のリスクを伴います。喫煙者の15~20%が発症するといわれ、喫煙歴が長く、1日に吸う本数が多い人ほど重症化する傾向にあります。40歳以上の人口の8.6%およそ530万人の患者がいると推定されていますが、自覚症状に乏しく、病気の存在も知られていないこともあって、残念ながら治療を受けている人が少ない病気です。
初期段階では階段を上ったときに息切れがしたり、咳や痰が続いたりする程度にすぎないので「タバコのせいでちょっと息苦しい」と思う程度ですませがちです。息苦しさを自覚して受診したときには、炎症が進行して肺機能がかなり低下していることも少なくありません。禁煙して早期に適切な治療を始めれば、日常生活を普通に送ることができ、寿命も延びます。喫煙者の方で、長引く咳が気になるときには早めに呼吸器の専門医を受診して、肺の状態をチェックすることをオススメします。禁煙外来で、タバコをまずくする薬やニコチンパッチを使用することで、禁煙をスムーズにすることも可能です。


長引く咳の予防と対策

1回咳をすると2kcalのエネルギーを消耗するといわれます。100回咳をすれば200kcal。これは軽いジョギングを30分行ったのと同じ数字。咳の積み重ねで体力が消耗していくことが分かります。また、夜の咳が続くと睡眠不足が常態化して体力は落ちていく一方です。 長引く咳には受診や治療が大切ですが、咳が続くときの対処法や、そもそも咳を出さないための予防法を紹介します。


○咳止めにハチミツとコーヒー

咳が止まらないのは辛いものです。市販の咳止め薬よりもハチミツのほうが、咳の症状や睡眠の質が改善したという研究結果があります。ハチミツには抗炎症作用や抗酸化作用があり、それらが咳の改善に作用すると考えられます。ただし、1歳未満の赤ちゃんはボツリヌス菌に感染する危険があるので子どもに与える場合は1歳を過ぎてからにしましょう。
一方、コーヒーも咳予防に効果があります。コーヒーに含まれるカフェインに気管支を拡張する作用や抗炎症作用があるからです。朝食時に濃いコーヒーを2杯飲むとぜんそくの症状が改善したり、コーヒーを1日3杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べてぜんそくを発症するリスクが少ないなどの報告があります。


○気温と湿度をコントロール

ウイルスは乾燥していると活性化します。インフルエンザウイルスは、気温が26度、湿度が50~60%のときに活性が低下します。このくらいの気温と湿度を保っていれば、風邪をひきにくいでしょう。気温のコントロールは外気温との温度差による刺激が生じるので咳予防という観点では難しいのですが、湿度は加湿器でコントロールできます。湿度が低くなる11月~3月くらいまでの期間は加湿器を利用することをオススメします。


○うがいとマスクで感染予防

風邪をひかないための工夫は、体内にウイルスや細菌を侵入するのを防ぐことになるので、すべての咳予防に有効です。うがいは水でのうがいが有効です。うがい薬を使うと正常な細菌叢(そう)も殺菌してしまいます。うがい薬は風邪を引いてのどが腫れているときや痛みがあるときに使いましょう。次にマスクでくしゃみや咳によるウイルスの飛沫感染を予防します。風邪を引いている人、風邪をうつされたくない人、両方がマスクをしていればウイルスの感染予防に役立ちます。


○歯磨きも効果的

口の中の雑菌は寝ている間に増えています。そのまま朝食を食べてしまうと、咳のもととなる病原体が体内に侵入しやすいので、就寝前と起きてすぐの歯磨きを。インフルエンザをはじめとした、ウイルスや細菌からの感染対策によいでしょう。もちろん、食後の歯磨きも大切です。起床時、朝食後、昼食後、夕食後、就寝前のうち、起床時と就寝前を含めて1日4回以上、歯を磨きましょう。

2. 休診日のお知らせ

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